忍者ブログ
うなぎ関係ない名前のふたりがお送りする鉄道路線擬人化二次創作(紙端国体劇場様)ぶろぐ。
[25] [24] [23] [22] [21] [20] [19] [18] [17] [16] [15]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

バレンタインをスルーして安比奈さんネタです。
こんな西武軍団が大好きです。

4巻表紙が本当西武の時代キタワァ・・・・って感じで、発売日が待ち遠しいです

+ + + + + + + + + +
バレンタインから一夜明けた、翌日    夜。
「ただいまー」
珍しく、池袋路線、新宿路線ともに時間を置かずに宿舎へ姿を見せた。
昨日も乗客に、駅員や乗務員に、乗入れ相手先にと『付き合いチョコ』を手渡された面々の帰宅は早かったけれど。
『この分じゃ、全員分の器にスープよそっても大丈夫かなー』
前日と負けぬ劣らぬ帰宅時間に、夕食の配膳を悩む安比奈へ制服コートを脱いだ西武有楽町が駆け寄る。
「あひな、これ‥‥たんじょうびおめでとうございます!」
はいっ!    威勢良く、西武デパートの包装紙に包まれた箱を差し出した。
「え、俺に?」
「はい!いつもおせわになってるから、いっしょうけんめいかんがえました!」
「私と西武有楽町からだ。運行業務がないからといって、だらしのない暮らしをするのではないぞ」
戸惑う安比奈に西武有楽町が胸を張る。
その後ろで西武池袋が腕を組んで立った。
「いや、俺、毎日家事仕事してるし…というか好きで運行してないわけじゃないよ!」
西武池袋の言葉には反論しつつ、西武有楽町には小さく礼を言って袋を受け取った。
「毎日、家事を任せきりですまないな。これ、俺と拝島から。…あ、拝島は少し残務処理があるからって遅れるってさ」
台所を覗き込んだ国分寺が、どうやら祝いの品を出していい流れらしいと踏んで小さな袋を差し出す。
「安比奈、これ、おみやげ!今晩のおかずはこれのおひたしがいいな」
その後ろからひょこっと顔を出したのは多摩川。
彼から受け取った紙袋には、セリやヨモギといった旬の山菜がぎっしり詰められていた。
数多い同居人全員に振舞っても問題ない量だけれど、これは果たして祝いだろうか。
どうも言葉通りのお土産である気がしてならない。
「安比奈安比奈、これやるよ!今ネットで話題の家庭で出来る足湯!」
一際大きい箱を抱えて近寄る西武新宿。
「‥‥お前ね、面白がって変なもの買うなよ‥‥」
馬鹿でかい箱の中身を問う前に種を明かされて。
明らかに、自分の興味本位で購入した代物に呆れた声を漏らした。
だが、今も茶の間の隅では西武新宿が購入したルンバが小刻みに回っている。
「安比奈安比奈!ケーキ買ってきたからデザートにくおうぜ!アンリシャルパンティエの予約限定ケーキ!」
「ちょっと、豊島!乱暴に扱うなよ、崩れる崩れる‥‥っと、あ、これおかずにもう一品。ローストビーフ。レオ君の分もあるからねー」
「ガウ」
「はいはい、わーったわーった。とりあえず先に飯にするぞお前ら。今日のメニューは中華だ。   あ、狭山。ローストビーフは皿に開けろ。レオの分は別に分けとけよ」
次から次へと差し出されるプレゼントの流れをぶった切る。
各自自分の飯と椀を持っていけ   彼らを台所から追い出す安比奈の口調は素っ気ない。
だが、仮面からのぞく顔が耳まで赤くなっていて。
関心の薄そうな言動は不器用な彼の照れ隠しだと誰もが気づいた。

今もまだ、自分の運行再開の計画は噂にすらのぼらない。
定期的に配布される制服も、いつ自分の分が削られるのか   そんな不安は常に胸の中で渦を巻いている。

それでも。
こうして、自分の『誕生日』に、様々な口実で、彼らから物を手渡されるうちは。
自分も西武の一員なのだと   彼らにとっては仲間なのだと、実感出来る気がする。
それが、嬉しい     安比奈は仮面の下でほんの少し頬を緩ませた。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
管理人のみ閲覧可能にする    
カレンダー
07 2025/08 09
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カウンター
目安箱
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright (c) una10(松) All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]