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うなぎ関係ない名前のふたりがお送りする鉄道路線擬人化二次創作(紙端国体劇場様)ぶろぐ。
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夏コミまであと1ヶ月切りましたが、鳥類のひと(ひなこ)・魚類のひと(いわし)ともに今現在進行形で鋭意原稿を頑張っております、こんばんは。
それはそれとして、今月全然ブログ創作をUPしていないことに気づいたので書き途中ストックから小話UPでございます。

本当はもっと国分寺拝島と西新安比奈風味を匂わせる予定でしたが、西武ファミリーって案外(色気を出さなければ)普通に一緒に風呂入りそうだよねという結論に至ったので挫折した。

山もオチも意味もない、本当の意味でのやおい話だけど死蔵しないでUPしてみた。
反省はしなくもない。




+ + + + + + + + + +
バタバタ、バタン
玄関から届く騒々しい物音に、夕食の支度をしていた安比奈が怪訝な顔をして台所から覗きこむ。
そこには、頭から青いコートまですっかり濡れ鼠の国分寺と拝島の姿。
「ごめん、安比奈。タオル取ってくれるか」
廊下が濡れるのを気遣ってか、玄関口でコートと靴下を脱ぐ二人に安比奈はとりあえずとタオルを届ける。
「間に合わなかったな。一本でもビニ傘買えばよかったのに」
夕食の支度を始める前は空に灰色の雲が薄く広く折り重なっていたものの降り始めてはいなかったから、滴が落ちだしたのはつい今しがたといったところだろう。
だが、コートの下に着ていたシャツも湿気を含んで変色しかけ、濡れた金髪はしっとりを通り越してシャツが濡れるのに拍車をかけている。
散々たる二人の様子にため息をつかずにはいられなかった。
「あぁ…今思えばその通りなんだが、何て言うか…最初のうち雨が細かすぎて、どうにかいけるかなって」
傘を買うタイミングを逃した、と国分寺。
だが、霧雨の量が増えたのか、いつの間にか粒が大きくなったのかはわからないが、明らかに霧雨に降られたレベルの濡れ方ではない。目測誤りにも程があった。
『国分寺のバカはともかく、拝島。お前がいてこの有り様か』 
すっかり紺色に変色したコートを手渡すとき、仮面越しにそんな眼差しを向けられて、拝島は思わず苦笑い。
返す言葉がなかった。
 「まぁいい。二人とも、風呂沸いてるからこのまま直行しちまえよ。着替えと下着は適当に持ってってやっから」
「ん。」
安比奈の言葉に生返事を返して、二人揃ってバスルームへと向かいかけた、時。
「え、安比奈、雨に濡れて帰ってきたら一緒に風呂入ってくれんの?」
居間からひょこっと顔を出した西武新宿が能天気な野次を飛ばす。
「そんなこたいってねぇよ!」
仮面の下から覗く顔を真っ赤に染め、紺色に変色したコートを投げつける。
「なぁんだ。一緒に風呂ってくれんなら頭とか背中洗いっことかしようと思ったのにな。いっぱいサービスしてやんのにー」
ぴしゃり。寸でのところで素早く戸を閉じて回避する西武新宿。
その向こうからは変わらない調子で本気なのか冗談なのかわからない声が届いた。
「…ったく、そんなつまんない理由で雨に濡れられたらたまんねーっての」
本気の言葉とは思ってないが、悪ノリが高じたらやりかねない、と。
廊下にぱさりと落ちたコートを拾いながら、照れと不満が混ざった呟きを零す安比奈を眺めながら。
「……背中洗いっこ、するか?」
「間に受けるな、馬鹿」
サービスしてもいいけど、どうする?と。まるで外食のメニューを聞くような気軽さで問いかける国分寺。
思わずぺしんと頭を叩く拝島の頬には薄い紅色が浮かんでいた。
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