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うなぎ関係ない名前のふたりがお送りする鉄道路線擬人化二次創作(紙端国体劇場様)ぶろぐ。
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仕事中、あんまり暇な時間があったのでぼんやり考えたネタ。
○西武ネタで拝島の一人称
○魚類の中では国分寺と拝島は普通以上に仲がいいんだけど出来上がってはいない
○魚類の中では新宿と安比奈も普通以上に(略
○今後出来上がる経緯が書かれるかというと、多分そういうわけでもない。
(どっちも宙ぶらりんのイメージ)
○でも、何かしらのきっかけでお互いを意識してしまうという流れは嫌いじゃないのでそういう可能性が全くないわけじゃない(否定の否定しまくり)
そんな大前提。

+ + + + + + + + + +
日曜の昼下がり。
せっかくの休日なのだが、どこかへ出かけるにも安比奈の家事を手伝うにも中途半端な時間で。
時間つぶしにと愛用のタロットを片手に居間へと降りる。
居間にいたのは一人   新宿だけだった。
庭先で多摩湖と狭山とレオが戯れているのが見えるけれど、他の面々の姿はない。
出かけているのか、部屋にいるのか   居間からではわかりかねた。
「暇そうだな。占いでもどう?」
とりあえず、戸棚から買い置きのスナック菓子を取り出して開封する新宿に声をかける。
「んー‥‥いい。拝島の占いでいい結果でたの見たことないもん。安比奈が聞いたらまたいじけるだろうから」
束の間の逡巡の後、あっさりと断られる。
どうやら、新宿にとって悪い結果はすなわち安比奈のことになるらしい。
その絶対的な自身は西武のメイン路線の片翼という自覚ゆえだろうか、それとも生来のものだろうか。
『‥‥多分、両方なんだろうな』
器用に口の中へスナックを放り入れる新宿を眺め、そう思う。
ゆえに、彼は西武の稼ぎ頭なのだろう。
「拝島は、自分のことは占わねーの?」
「え?」
「いや、いつも誰かの運勢ばっか占ってるなーって思って」
言われて、そういえば自分のことを占ったことはないなと思い当たった。
こうしてカードを扱うのは好きだけれど、自分の未来を見ようとはあまり思わない。
どうしてだろう、とふと考えて    その類にあまり関心がないことに気づく。
仕事運はそれなりだが、金運、恋愛運、健康運‥‥そういった『運勢』に興味が湧かない、のだ。
現状に満足しているといえばそれまでだが、未来の展望がないとも言える。
「‥‥自分のことは占わないものだ」
正直に答えるのも寂しいから、何かの本の受け売りで誤魔化した。
「ふーん。でも、そういうのって腕が上がって当たるようになってから言うもんじゃないの?」
新宿は社交的なようで、案外辛辣だ。シビアな言葉も平気で吐く。
だけど、憎めないのはやはり彼の人徳なのかもしれない。
「別に当たってないわけじゃないから、腕が悪いと言えないと思うけど」
「それもそっか。こういうのは本人の気持ち次第だろうし」
我ながら、苦しい反論だ。しかし、新宿はあっさりと引き下がった。
どっちでもいい、と。興味の薄い表情で、また一つスナック菓子をつまむ。
このあたりの引き際の良さが、嫌味を感じない点なのかもしれない。
「‥‥それに、業務のこと以外で『いいこと』が思いつかない」
運勢に関心がないから。『幸運」とはどういうことを指すのかが、イメージがつかない。
だから、今日みたいに暇を持て余している日は悪い結果が出ても納得してしまいそうだと、暗に含める。
「何だ、やっぱり拝島も自覚あるんじゃん」
予見なのか、自覚なのか。
当たっているのか、いないのか。
どちらもわからないけれど、   少なくとも『良い結果」への期待がないのは確かだ。
指摘されて、思わず苦笑い。
「まぁ、ね‥‥」
「あきらめて、開き直ればいいのに」
意味深な言葉に、虚を突かれる。
何故か、占いの腕ではない    別のことを指している気がして、新宿の顔を改めて見直した。
だが、彼の長い前髪に隠れがちの顔からは大した変化は見受けられない。
相変わらず、関心のうすそうな顔でスナック菓子を口に運んでいる。
『諦め』て、『開き直る』のは   『良くない占いの結果』なのか、『業務以外の』私事か。
一瞬だけ、脳裏に長身の人影が浮かんで消える。
不毛だと目を背けている思いを見透かされた、気がした。
    新宿は、何に気づいてどこまで知っているのだろう。
自覚はないけれど、そういう風に見えるように『彼』に接しているのだろうか
新宿もまた   『諦め』て、『開き直っ』て、接しているのだろうか。
運行業務を失って久しいがゆえに、日常だけでなく公の場でも顔を隠して暮らす『彼』に‥‥
「‥‥そうかもね」
追及すると藪蛇になるから、曖昧な言葉で相槌を打つだけに留まった。
「まぁ、それはどこかの誰かさんも一緒だけどな」
やれやれ、と。新宿が開きっぱなしの扉の向こうへ視線を向けて溜息をつく。
扉の先は各部屋や玄関に続く廊下。
その先にいる「誰かさん」は、「どちら」の「誰」のことを指しているのだろう。
「お互い様、かな」
箱に入れたままのカードを弄びながら。特定と名言を避けたまま、言葉を濁すことにした。


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