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うなぎ関係ない名前のふたりがお送りする鉄道路線擬人化二次創作(紙端国体劇場様)ぶろぐ。
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山陽さんが書いてて楽しかったのはここだけの秘密。


+ + + + + + + + + +
「上越に子供ができた」

JR高速鉄道   上官たちが使う休憩室は、その噂で持ちきりだった。
「なに、出来ちゃった婚てやつ?でも流行ってるらしいね、作ちゃった婚!」
K○Cバスケットを抱えた秋田の言葉に長野が首を傾げる。
「とうかいどうせんぱい、できちゃった婚とは何ができたのですか?」
「規制事実だ」
「字が違うけど‥‥うん、まぁ間違いじゃないからいいや」
純真無垢な質問に、躊躇なく無難な回答(誤字だけど)を即答する東海道に、やんわりツッコむ山陽。
『きせいじじつ‥‥?』
「さんようせんぱい、きせいじじつとはなんですか?」
ツッコミから山陽の方に聞くのがいいのかもしれないと判断した長野が質問の矛先を変えた。
「あー、えっとねー。聞いて確かめる必要がないくらい、誰もが見ただけで認める関係になるってことかなー」
『どうして俺の周りの幼い子は誰も純粋な目で容赦ない質問を投げてくれるのかしら‥‥』
心の中で滂沱を流しながら。山陽は明後日の方向を見つつ律儀に答える。
その姿に不自然を感じることなく、長野は下を向き考え込んだ。
「見ただけで認める関係‥‥」
噛み含めるように、呟く。
その時、その言葉が長野の頭と心に刻み込まれた事に気づいたのは誰もいなかった。


3年後。
「‥‥そういえば‥‥」
同じ場所    2年半前に、無責任な噂が話題を独占していた部屋。
北陸からの業務報告と相談を受ける場所として、東海道が自分の執務室ではなく休憩室を指定したのは運命の悪戯だったのかもしれない。
「ねぇ、東海道先輩」
ふと、昔の   長野時代に聞いた話を思い出した北陸が目の前の先輩を呼ぶ。
「‥‥何だ?」
二人きりになるのを避けたものの、油断ならない視線で北陸に注意を払っている東海道が怪訝な顔を向けて問う。
「新大阪まで通るようになったら、僕、先輩と『きせいじじつ』が出来ますね!ということは、新大阪まで延線できたら、出来ちゃった婚してくれますか?」

ぶばっ。
脈絡のない言葉に東海道が景気よく茶を吹き出す。
「あ、東海道ー。丁度よかった。これ、うちの今度の企画書なんだけど‥‥」
たまたま通りかかった山陽も、耳に入ってきた台詞にぴたりと動きを止める。
『今、俺、何かすごい言葉聞いたような‥‥』
北陸の発言に耳を疑った。

「あ、でも‥‥東海道先輩に認めてもらうには西日本まで頑張らないといけないのに、それだと山陽先輩とも「きせいじじつ」出来ちゃいますね‥‥僕、本命は東海道先輩だけですから。まずはそこをクリアにしておかないといけないですね」
神妙な顔をして考え込む北陸の後ろで、立ち上がった東海道が山陽の胸ぐらを掴む。
『お前か、お前が北陸に変なことを吹き込んだのかっ!自分のところまで食い込まれるのが怖いからといって‥‥卑怯な真似を!』
『ちょ、タンマタンマ‥‥知らないって!オレ無実、絶対無実!上越の、いつもの嫌がらせだよきっと!』
がくんがくんと前後に揺さぶる東海道と、酔いに負けずに弁解する山陽。
だがしかし、その頃にはもう真相を知る術などあるわけがなかった。




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