うなぎ関係ない名前のふたりがお送りする鉄道路線擬人化二次創作(紙端国体劇場様)ぶろぐ。
もう3が日ですが(汗)
あけましておめでとうございます。
まだ創作活動入りたてのぺーぺーですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
そんなわけで、2013年の書き初めSSは北陸東海道(兄)・・・に繋がる長野と東海道兄話。
冬にアレな新刊出しといて『北陸東海道って俺だけじゃん、やべーイバラ?!』と恐々な今日この頃。
でも今年の夏に一線越える北陸東海道(兄)本出したい。
あけましておめでとうございます。
まだ創作活動入りたてのぺーぺーですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
そんなわけで、2013年の書き初めSSは北陸東海道(兄)・・・に繋がる長野と東海道兄話。
冬にアレな新刊出しといて『北陸東海道って俺だけじゃん、やべーイバラ?!』と恐々な今日この頃。
でも今年の夏に一線越える北陸東海道(兄)本出したい。
+ + + + + + + + + +
「とうかいどうせんぱい!」
ぱたぱたぱたとまるで歩く水鳥のような音を立てて走ってくる長野に呼び止められ、東海道は振り返った。
「どうした、長野?」
「せんぱい!ぼく、きょうのゆめでふじさんをみました!ふじさんのゆめはえんぎがいいんですよね!」
そう言われて、東海道はようやく昨晩の夢が新年明けて初めて見る夢だと思い出した。
これで相手が山陽だったら年末年始の多忙期に浮かれるな、と叱りつけるところだったが。
「あぁ。長野は来年開業を控えているし、とても幸先がいいな」
相手が長野だとどうしても甘くなってしまうのは仕様かもしれない。(ただし金銭が絡まない場合のみ)
「で、どんな夢だったんだ?」
なんの気なしに問いかけた東海道に、長野は大きく頷いて胸を張る。
「はい、ふじさんにとんねるをほってとうかいどうせんぱいにせつぞくするゆめでした!」
意気揚々と宣言する長野。東海道は僅かに 本当にほんの僅かだけ、眉をしかめた。
実際のところ、中央部には既にリニア中央新幹線計画が施行されており、超伝導車体のテスト運行も行われている。
だから、長野から北陸へ延伸が決定していることを抜きにしても 彼が富士山を超えることは不可能だ
ゆえに、彼の夢が『正夢』になることはない‥‥けれど、彼にはそういう願望があるのだろうか?
「‥‥そうか、それは夢があるな」
初夢としては良い類なのだろうと思う。だから、敢えてその点には触れずに東海道は感想をぼやかした。
「はい、ふじさんのふもとにはもうりにあがあるし、いまのろせんからふじさんにつながったら『ほくりく』とよべないし…しがないゆめなのはわかってます」
尊敬する先輩の顔色を読んだのか。長野はほんの少しだけ声のトーンを落として続ける。
「でも、ほくりくになったら‥‥いちにんまえになったら、たよりがいのあるろせんになって、いちにちもはやくとうかいどうせんぱいにせつぞくできるようにがんばります!」
だから、これはやっぱりいい夢だと思います 力強く拳を握って力説する長野に、うんうんと頷く。
「そうか。その日を楽しみにしているぞ」
夢の内容が彼の隠れた願望かもしれない、という不安が杞憂に終わり安心する。
向上心のある後輩の言葉は、彼の成長を表していていつ聞いても嬉しくなってしまう。
「せんぱい、そのときはかいつうのおいわいしてくださいね!」
だが。さらりと告げられた要望に、一瞬にして東海道の思考が停止した。
「‥‥は?」
今‥‥何というか、ものすごくすごい(重複)ことを言われたような‥‥
「‥‥だめですか?」
東海道の硬直を察して、長野が不安そうに首を傾げる。
なにか、悪いことを言ってしまったのだろうか、と。邪心のない、まっすぐな瞳で東海道を見上げる長野の様子は普段と変わりない。
『そうだ、開業の時に行う行事を開通式というではないか‥‥別段、意味は間違っていない‥‥』
「いや、もちろん‥‥後輩の成長を祝うのは先輩として当然の義務だからな。ただし、あまり高いものはだめだぞ」
『開業の』ではなく『開通の』という言葉に違和感は感じなくもない、が‥‥
気のせいだろうと東海道は疑問と不審に蓋をして誤魔化した。
「とうかいどうせんぱいにおいわいしてもらえるだけで、じゅうぶんです!」
ぼく、がんばりますね 東海道の返答に安心し、にっこりと笑う長野。
いつもはその無邪気な笑顔に微笑ましさを感じるのに。
東海道はこの時はなぜか 一瞬だけ背筋に悪寒を感じた。
それは未来への不安だけでなく 何かしらの予兆だったのかもしれない。
ぱたぱたぱたとまるで歩く水鳥のような音を立てて走ってくる長野に呼び止められ、東海道は振り返った。
「どうした、長野?」
「せんぱい!ぼく、きょうのゆめでふじさんをみました!ふじさんのゆめはえんぎがいいんですよね!」
そう言われて、東海道はようやく昨晩の夢が新年明けて初めて見る夢だと思い出した。
これで相手が山陽だったら年末年始の多忙期に浮かれるな、と叱りつけるところだったが。
「あぁ。長野は来年開業を控えているし、とても幸先がいいな」
相手が長野だとどうしても甘くなってしまうのは仕様かもしれない。(ただし金銭が絡まない場合のみ)
「で、どんな夢だったんだ?」
なんの気なしに問いかけた東海道に、長野は大きく頷いて胸を張る。
「はい、ふじさんにとんねるをほってとうかいどうせんぱいにせつぞくするゆめでした!」
意気揚々と宣言する長野。東海道は僅かに 本当にほんの僅かだけ、眉をしかめた。
実際のところ、中央部には既にリニア中央新幹線計画が施行されており、超伝導車体のテスト運行も行われている。
だから、長野から北陸へ延伸が決定していることを抜きにしても 彼が富士山を超えることは不可能だ
ゆえに、彼の夢が『正夢』になることはない‥‥けれど、彼にはそういう願望があるのだろうか?
「‥‥そうか、それは夢があるな」
初夢としては良い類なのだろうと思う。だから、敢えてその点には触れずに東海道は感想をぼやかした。
「はい、ふじさんのふもとにはもうりにあがあるし、いまのろせんからふじさんにつながったら『ほくりく』とよべないし…しがないゆめなのはわかってます」
尊敬する先輩の顔色を読んだのか。長野はほんの少しだけ声のトーンを落として続ける。
「でも、ほくりくになったら‥‥いちにんまえになったら、たよりがいのあるろせんになって、いちにちもはやくとうかいどうせんぱいにせつぞくできるようにがんばります!」
だから、これはやっぱりいい夢だと思います 力強く拳を握って力説する長野に、うんうんと頷く。
「そうか。その日を楽しみにしているぞ」
夢の内容が彼の隠れた願望かもしれない、という不安が杞憂に終わり安心する。
向上心のある後輩の言葉は、彼の成長を表していていつ聞いても嬉しくなってしまう。
「せんぱい、そのときはかいつうのおいわいしてくださいね!」
だが。さらりと告げられた要望に、一瞬にして東海道の思考が停止した。
「‥‥は?」
今‥‥何というか、ものすごくすごい(重複)ことを言われたような‥‥
「‥‥だめですか?」
東海道の硬直を察して、長野が不安そうに首を傾げる。
なにか、悪いことを言ってしまったのだろうか、と。邪心のない、まっすぐな瞳で東海道を見上げる長野の様子は普段と変わりない。
『そうだ、開業の時に行う行事を開通式というではないか‥‥別段、意味は間違っていない‥‥』
「いや、もちろん‥‥後輩の成長を祝うのは先輩として当然の義務だからな。ただし、あまり高いものはだめだぞ」
『開業の』ではなく『開通の』という言葉に違和感は感じなくもない、が‥‥
気のせいだろうと東海道は疑問と不審に蓋をして誤魔化した。
「とうかいどうせんぱいにおいわいしてもらえるだけで、じゅうぶんです!」
ぼく、がんばりますね 東海道の返答に安心し、にっこりと笑う長野。
いつもはその無邪気な笑顔に微笑ましさを感じるのに。
東海道はこの時はなぜか 一瞬だけ背筋に悪寒を感じた。
それは未来への不安だけでなく 何かしらの予兆だったのかもしれない。
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